児玉博好さん

「手のひらサイズの豊後大野の大自然。未来へ手渡す苔玉づくり」


お名前:児玉博好さん        お住まい:豊後大野市緒方町        お仕事:苔玉制作・工房の運営                                                                                  


 豊後大野市緒方町で生まれ育った児玉博好さん。山や川が身近にある環境で、自然の中を駆け回って 遊んだ幼少期の記憶は、今も心に残っています。農業が暮らしの中心だった時代、自然は特別なものではなく、日常そのものでした。

 高校卒業後は農協や企業勤めを経験し、県内外を飛び回る忙しい日々を送りましたが、「都会に住みたいと思ったことは一度もなかった」と語ります。

 苔玉づくりを始めたのは60代の頃。奥さまが山から持ち帰った苔の美しさに心を動かされたことが きっかけでした。試行錯誤を重ね、最初の一鉢を作ってから約20年。

  現在も苔玉教室や展示会も行いながら、今も自宅の工房で、ひとつひとつ丁寧に苔玉を育てています。また、販売をしている道の駅にも毎日水やりに 通い、乾かさないよう細やかに手をかけるのが日課です。

 そんな児玉さんに苔玉づくりのやりがいを伺ってみると、

「作る楽しみと、眺める楽しみがあり、芽吹きの瞬間がなによりも嬉しい」と語る児玉さん。手に取った人から「今も元気に育っているよ」と声をかけられることが、とても嬉しく励みになってるといいます。

 また、桜を植え次の世代に風景を残す活動も長年続けてきました。長湯温泉しだれ桜の里の創設者として桜を植え続けてきた経験も、次の世代にこの景色を手渡したいという想いの延長線上にあります。

 そうして育まれた、しだれ桜の風景は、年月を重ねるなかで地域の景色として馴染み、近年では春になると世界各地から多くの人が訪れる、桜の名所として知られるようになりました。

 苔玉づくりに向き合う時間、桜の成長を見守ること、そして今も変わらず楽しんでいるゴルフ。豊後大野の自然や癒やしを誰かに届けたいと続けてきた日々が、児玉さんの今の暮らしを形づくっています。

 取材の際にも穏やかな笑顔で語る姿から、児玉さんがこの土地で過ごしてきた時間の豊かさが伝わってきました。

 ぜひ豊後大野市を訪れた際には、自然の豊かさを感じていただき、児玉さんがつくっている苔玉も手に取ってみてください。


取材:令和8年1月

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