首藤文江さん
子ども食堂を通じて地域の子どもを地域で見守り育てる
お名前:首藤文江さん
お住まい:豊後大野市三重町
Q.1 運営している子ども食堂について教えてください。
「しげまさ子ども食堂」は、2016年に任意団体としてスタートし、2018年からはNPO法人として運営しています。東京で実施している子ども食堂の活動をテレビで見て、「これなら私たちにもできるかも」と思い、実際にその子ども食堂へ視察に行き、その学びを糧に開始しました。
①子ども食堂②中学生対象の学習支援③プレーパーク④地域がHOKORI『ひろがる子どもプロジェクト』の4つの活動を軸に運営しています。
Q2. 子ども食堂をするにあたっての原動力は何でしょうか?
私自身、小さい頃に親の不仲が原因で、大人に対して「余裕のなさ」を感じていました。そのため、自分が困っていて相談したくても相談できるような大人が周りにおらず、自分の意見や想いをうまく親にも伝えることができませんでした。でも今、大人になってみると、「子どもと大人の世界は違って、子どもは親の世界に巻き込まれる必要はなかったんだ」ということに気づきました。子どもの頃、それを教えてくれる人が一人でもいたら、もしかしたらもっとのびのびと生活できたかもしれない。そして、子どもにとって影響の大きい親や学校の先生だけではなく、色んな大人と関わって話をしていたらもう少し世界が広かったのかなと思っています。そんな想いのもと、地域の子どもたちにはその子らしくのびのびと成長していってほしいなと活動に向き合っています。
Q3.しげまさ子ども食堂での具体的な取り組みについて教えてください。
子ども食堂では、地域のサポーターが提供してくれた野菜を使ったメニューを考え、作ったものをみんなでワイワイと楽しく食べます。子どもたちに「食卓」の記憶を楽しくて嬉しいものとして残したいと願って実施しています。
学習支援では、本人の意思で「学びたい」と参加している子どもたちに学習の場を提供する取り組みをしています。大学生や専門学生、地域のサポーターたちが子どもに寄り添いサポートします。困ったときには進路や将来のことなども相談にのります。
プレーパークは、子どもが自然の中で自分の遊びを自由に自分で作っていく場です。子ども食堂の開催時に実施しており、思い切り楽しく過ごせる環境づくりをしています。それぞれの遊びを見守りながら、ケガやトラブルにも対応します。
地域がHOKORI『ひろがる子どもプロジェクト』 では、子どもの「やりたい」という気持ちを応援し、いろんな年代の子どもや地域の大人と交流しながらプレゼンテーションと舞台パフォーマンスの指導を行っています。失敗しても大丈夫!という気持ちで自己表現にチャレンジすることで自主性や自己肯定感、コミュニケーション力を育てます。
いずれの活動にしても、地域の子どもたちが日々、おなかいっぱいにご飯を食べて遊んで学び、楽しく日常を送ることができるよう見守り支えていきたいです。
Q4. 最後に、これからの夢を教えてください。
地域を巣立った子どもたちがいつか帰ってきたいと思う、住みやすい地域をつくっていきたいです。そのために、「地域の子どもは地域で育てる」環境づくりをもっとしていけたらと思っています。
そして、「想いのある」人と子どもを繋げ続けたいとも思っています。様々な大人、子ども、企業、自治体など色んな「想いのある」人や場所と繋がることで、その子にとっての人生は大きく広がると思っています。
常に子どもに寄り添う姿勢を大切に、これからも地域の未来をみんなで考え続けたいです。
取材:令和2年9月
写真:しげまさ子ども食堂さん提供