臼田さんご夫婦

★令和2年度から「移住者のみなさん」紹介ページの形式を変更しています★

直感と信念で移住し、山奥でパン屋とカフェを開業。自然の中で「つくる」を大切にする暮らし。

出身地:東京都
現住所:豊後大野市緒方町
職業:パン屋・カフェ経営

ご主人はパン職人、奥様はお菓子やケーキ作りで東京都でも活躍をしていた臼田さんご夫婦。豊後大野市に移住し20年以上、山奥で人気のパン屋とカフェを営むお二人に、移住の経緯や豊後大野市での暮らしについて話を伺いました。

Q1. 豊後大野市に移住したきっかけと経緯をおしえてください。

東京で暮らしていた頃、「食」に向き合う仕事をしているうちにだんだんと「環境」について深く考えるようになっていきました。生きていく上での環境や暮らしを見つめていると、自分たちにとって、都会はなんだか危ういバランスを保っているように感じ、一歩何かが崩れたら芋づる式にガラガラと崩れそうな危機感を覚えたんです。自然に沿った暮らしをしたい、そこでパン屋とカフェを営み子育てをしたいと思っていたところ、家族(奥様の妹さん)が移住していた豊後大野市に興味を持ち、移住を決意しました。

-知らない地での暮らしや開業に不安はありませんでしたか?

お米づくりが盛んな地域への移住と開業だったので、周りからは「米どころでパン屋をしても売れないよ」「山奥じゃなくて町の中心部で商売したほうが良いよ」と心配やアドバイスをしていただきました。でもなぜか根拠のない自信があったんです。腹をくくり、さらにそんな地域の方々からの沢山の救いの手や協力をいただいて開業に至りました。

人気のパンやお菓子は遠方から買い求めに来るファンも多い

Q2. 移住先の家と開業場所はどのように選びましたか?

東京から1週間、豊後大野市に滞在し、その間にひたすら場所を探し続けました。それでもなかなか土地や家に巡り合うことができずに四苦八苦していたら、東京へ帰る前日に今の家と土地に出会ったんです。たまたま草刈りをしている方に教えて頂いた場所で、相当古い家と、その横に広い土地がありました。家は中を見ることもできなかったんですが、「何もない」環境に魅力を感じ、直感で「ここだ」と決意し、東京に戻ったのを覚えています。

-今では素敵な建物と空間に生まれ変わっていますね。

家の方は、最初の5年ほどはそのままの状態で住みました。水道はなく、電気も5アンペアほどしかない状態で、決して便利な暮らしではなかったのですが、工夫して生きていく生活はとても楽しかったです。それから少しづつ自分たちでリノベーションをして生活しやすい場所に変えていきました。

ひどく傷んでいた空き家は美しい家へと生まれ変わった


お店の方は、家の横にあった土地に、仲間と共に一からつくりあげました。お店の中に置いている椅子やテーブルは廃校になった学校にあったものを再利用させていただいています。新品にはない味に魅力を感じています。

仲間と一緒につくりあげたお店
廃校にあった一枚板を再利用したカウンター席

Q3. 豊後大野市での子育てはいかがでしたか?

一番上の娘が生後3か月の時にお店がオープンしましたが、子育てにはとても良い環境だったと思います。近所の方々が子どもを可愛がってくれますし、お金をかけなくても近くに川や散歩をして思いっきり遊ぶことができる。保育園では子どもが少ない分、先生の目がよく届いているように感じました。泣き声も周りを気にしなくて大丈夫な環境でしたし、のびのび子育てができたなと振り返ってそう思います。

Q4. 最後に、これからの夢を教えてください。

カフェをしたいという夢、お米づくりをしたいという夢を、豊後大野市に移住して叶えることができました。今後の夢としては、裏山を開拓してツリーハウスをつくりたいです。遊歩道も整備したりと、自然の中でお客様が楽しく過ごせる空間づくりをしたいと思い描いています。

取材:令和2年5月

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